「美白成分」は「シミ」をどのようにして防ぐのでしょうか。
まず、「シミができるしくみ」のページ、1.で説明した、メラニンを作るように指示を出すエンドセリン。
このエンドセリンが出す情報を受け取らないようにしてしまうという美白作用があります。
この情報を遮断すると、メラニン色素を作れという指示が出ないので、メラノサイトでは、メラニンを作る作業をしません。
その作用を持つのが、カモミラETです。
また、チロシナーゼという酵素が活性化し、チロシンというアミノ酸とくっつくことでメラニンが作られますが、このチロシナーゼの活性化しないように働く美白もあります。
これは、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ルシノール、プラセンタです。
チロシナーゼを分解して、その量自体をへらしてしまうのが、リノール酸S。
さらに、チロシナーゼは、成熟してはじめてメラニンを作ることに関与できるようになるのですが、この成熟を食い止めるのがマグノリグナンという新しい成分です。
メラニン色素が作られると、メラノソームという袋みたいなものに入れて、それを周りの角化細胞に配ります。
このメラノソームを表皮細胞に受け渡すのを未然に防ぐのが、D-メラノです。
以上、これらの美白成分は、メラニンができるまでの間で効果を発揮するので、シミを予防しています。これを「予防美白」と言います。
メラニン排出を助けるのが、エナジーシグナルAMP、プラセンタ、4MSKです。
これらは、できてしまったメラニンを排出することで、シミのない素肌に戻るという美白方法です。これを「代謝美白」と呼びます。
美白には、もう一種類あります。
それは、今ある黒いシミを還元して、無色の状態に戻すことです。
これは、ビタミンC誘導体があてはまります。
他にも、高濃度だと還元作用のあるものもありますが、化粧品に入れられる濃度では、厚生労働省が認めた美白成分でいえば、ビタミンC誘導体だけです。
ハイドロキノンも強い還元作用があることで知られています。
これを「還元美白」と呼んでいます。